こんにちは
株式会社PLUSの保坂学です。
夏は暑過ぎてポルシェ乗れないね。
弟の耕司と保坂兄弟は残念極まりないと話してます。
空冷ポルシェ乗りにとっては、夏がとうとうやってきてしまったと思いますよね。
夏のエアコンの問題は悩みだと思いますが、その空冷ポルシェの中でもポルシェ930のクーラーは全く効果なしで有名です。
新型ポルシェの方は関係ないですが、空冷ポルシェなんて、新車当時に1500万円以上する高級車なのに、90年代あたりまで、エアコンが激弱できかないふざけたやつなんです。
全く使えないのに、エアコンガスを夏毎に継ぎ足しますが、車内に入れば汗だくになり乗る気にならず、現状だとエアコンっていうか、扇風機の方が良くて、窓開けた方が涼しいくらいです。
元々の話なんですが、930ポルシェのGシリーズなど初期タイプは、設計した際にエアコンはなくて、販売時の後付けオプションでした。
そのため、後方のリアエンジンから長いホースを引っ張り、前方まで無理に持ってきて設置したみたいです。
僕的には、昔の日本車や後付クーラーと全く同じ仕組みですから、ある程度の修理工場なら簡単に直せて、整備すればクーラーは絶対に使えると思ってますが、クラシックポルシェというだけで、無駄に高額だったり、対応してもらえません。
空冷ポルシェ乗っている皆さんのエアコン問題点は、こんな感じの症状だと思います。
・冷気が急に送風や温風になり不安定になる
この症状は、エアコンコントロールユニットの問題か、冷風温風の切り替えユニットの故障が原因だと思います。
・エアコンガスが入らない
この症状の場合、配管の詰まりか、コンプレッサー、クラッチプーリー辺りの故障だと推測しますが、その他の場合なら、エキスパンションバルブやリキッドタンクの交換などが必要になりますね。
コンプレッサーの場合は、オーバーホール、またはリビルドになり、マグネットクラッチも交換が必要になるかな。
・エアコンガスを入れてもすぐに効かなくなる。
これは最初にクーラーを使えてる場合は、ガス漏れが原因の場合が多いのですね。
その個所を捜して修理するのは、過酷な作業になり、まずは点検できるポイントを点検し、ホースを交換した方が今後のためを考えたら良いと思いますが、ホースに問題が無かった場合、エバポレーターの交換をすることになります。
・ガスが入っているのに冷えが悪い。
コンデンサーブロアが不動になっていて、ガス圧が上がりすぎたり、温度センサーの不調により、エバポレーターが凍結したり、配管やエキスパンションバルブ、リキッドタンクが詰まっている可能性があります。
僕に起きたトラブルは、エアコンをどうにかしたいなって色々考えていた時に、ブロアファンやモーター辺りからシューシューと白い煙が舞い上がり、室内ファンから吹き出してきていたので、臨時対策で新しいのに交換しました。
1974年〜1989年の930型クーラーの仕組みは、ほとんど国産車と同じ仕組みですが、ポルシェは特殊でリアエンジンですから、後ろ側から伸びる配管の長さ、設置場所、ゴム素材が、ポルシェの元からの欠陥で、964型まで同じような構造です。
エアコンはまず、コンプレッサーが冷媒のフロンを圧縮します。
圧縮されて高温になったフロンを、コンデンサーが冷やすことで、フロンが液体に変わります。
液体になった冷媒は、レシーバー ドライヤーを通り、水分や不純物を取り除き、エキスパンション バルブから、フロンをエバポレーターに噴射し、フロンが気化します。
エバポレーターが冷却されて、冷やされた空気が室内に送風され、温度が下がっていきます。
気化したフロンは、継続的にコンプレッサーで圧縮して、上記のように反復しながら、温度が冷却していく構造です。
964以降だと、基本的に金属配管で改善されていますが、930はこれらを経由する配管が全部ラバーホースとなっていて、930は昔の後付クーラーと同じ仕組みになり、ホースが劣化し易いゴム製品で、金属のカシメの部分から漏れたりします。
漏れてる場合は、金属の部分だけ残して、新品のゴムホースでホースを作り直してくれる業者があるそうなので、探してみるとよいかも。
930エバポレーターは、機能性も問題なく、銅配管とアルミのフィンという豪華な作りになっています。
最近の車はコストダウンで、アルミ配管になっていてますが、アルミの場合、結露で腐食して穴が開いたりしますが、銅配管の場合は全く心配いりません。
オーバーホールしてない場合、オーバーホール、もしくは日本の国産車にも使われているサンデン製を流用すると良いですよ。
オーバーホールの時、レシーバー ドライヤーが詰まっていたり、中の除湿剤が古くなっている可能性が高いので、ついでに交換しましょう。
最大の弱点は、なんと言ってもコンデンサーです。
ポルシェに付いてる小さなコンデンサーは、処理容量も足りず、設置場所もエンジンルーム内の気温の影響を受ける場所にあるにも関わらず、国産車のようなファンも付属していません。
この仕組みは、エンジンを冷やすファンの吸気のついでに、冷やす仕組みなので、コンデンサーの周囲の気温が高いと、ほぼ冷媒が冷えることはありません。
冷媒が冷えないと、液体にならないため、エキスパンションバルブが液体のフロンを噴出できないので、動作しなくなります。
画期的なアイテムないか調べてると、凄くナイスなエアコンキットを発見しちゃいました。
リアフェンダーに電動ファン付のコンデンサーを移設して、冷媒を冷やす仕組みに出来て、かなり冷えるみたいですよ。
SingerやRUFに採用されているお墨付きです。
電動コンプレッサーのクーラーシステム
https://youtu.be/ADuk4yl-X30
Classic Retrofit
https://www.classicretrofit.com
電動の良いポイントは、エンジンに負荷をかけずに使えるから、かなり欲しいと思ってますけど、エアコンに60万って高額過ぎだったので、考えちゃいますよね。
空冷エンジンにとって、真夏は劣悪な環境なので、運転を我慢するのが、一番の対策かなと思っています。
#保坂学 #保坂耕司 #保坂兄弟 #株式会社PLUS
#ポルシェ #911S #空冷ポルシェのエアコン #空冷ポルシェ #ポルシェ911 #絶版車 #希少車 #旧車好き #日本の最初のポルシェ #ポルシェの歴史 #オーバーホール #レストア