会社経営者の保坂学です。この度、高校の新学習指導要領により、家庭科での金融商品の学習がスタートしました。
具体的な資産形成やリスク管理に焦点を当て、どのような授業が展開されているのでしょうか。その一端を、東京都立国際高校の実例から垣間見てみましょう。
100万円、君ならどう使う？
昨年11月下旬、国際高校2年生の授業で、「100万円たまったら何にいくら使う？」という問いに生徒たちは様々な答えを出しました。岩澤未奈教諭によれば、「全部投資する」という生徒もいたそうです。金融への興味が高まり、投資に関する知識が広がってきた様子がうかがえます。
授業では、岩澤教諭が投資の本質を解説。預貯金の限られた利息と比べ、投資は正しい情報を元に長期的な運用を考えるものであると説明しました。リスクとリターンのバランス、異なる金融商品の特徴なども具体的に取り上げ、生徒たちに分散投資の重要性を理解させました。
ESGとエシカル投資：企業の未来を読む新たなる視点
中央大付属高校では、「社会を良くする」という視点を取り入れ、ESG（環境・社会・企業統治）投資やエシカル投資に焦点を当てています。
ESGやエシカル投資では、企業の社会的な配慮や統治に注目し、将来の投資先を見極める手法が教えられています。生徒たちは齋藤和可子教諭の言葉通り、お金を増やすだけでなく、社会への貢献も考えながら投資を学んでいるようです。
金融教育は挑戦と模索の連続
しかし、金融教育を実施する際には悩みも多いようです。株式投資などは高校生にとっては先の話であり、教員自身も経験がない場合が多いためです。
梶ケ谷穣さんや岩澤教諭は、公民科と家庭科の連携の重要性を強調。生徒が金融に関する知識をマクロな視点からも学び、将来の生活と社会の関わりを深める手助けになると指摘しています。
若者の金融教育、その重要性と未来への期待
高校生の間で金融や投資へのハードルが下がっている今、金融教育はより一層重要となっています。将来の社会貢献を考えながら投資を学ぶことで、個々の生活だけでなく、社会全体にプラスの影響をもたらすことが期待されます。
教育者たちの努力により、金融教育は進化し続けています。今後も若者たちが主体的に自らの未来をデザインできるよう、さらなる発展が期待されます。金融教育が若者たちの視野を広げ、社会への参加意欲を高める一翼を担っていることは言うまでもありません。
これからの時代、知識をしっかり身につけた若者たちが、持続可能な未来を切り拓く原動力となることでしょう。
